PERSON

INTERVIEW

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食品開発研究所 冷菓グループ2008年入社

齋藤 達哉TATSUYA SAITO

食品開発の仕事とは

マーケティング部門と商品コンセプトをすり合わせ、原料の選定、配合の検討、工場でのテストを経て、製品を完成に導きます。飽くなき探求心で大量生産と高品質を両立させ、ロングセラーを生み出す。それが森永乳業の「製品開発」の仕事です。

INTERVIEW
誰もが知る商品ブランドを
いつか自分でつくりだす。

上手くいかない時もある。
開発者を支えているのは、仲間と熱意。

食品開発研究所では、主に新製品開発と既存商品の改良を手掛けています。私の所属している冷菓グループが関わるのはアイスクリーム全般。その中で、私は「MOW」の開発を担当してきました。
製品開発は、マーケティング部門と商品コンセプトについて話し合うことから始まります。使用する原料、配合の割合、製造方法を考え、研究所で試作。その後、工場でのテスト製造へ進み、品質と生産体制に問題がなければ製品化されます。難しいのは、研究所と工場で製造条件が異なること。研究所では原料を自分たちで混ぜたり、簡易な機械で試作するため、すべて自動化された工場で製造すると同じ配合でも味や香りが変わる場合があるのです。そんな時は、周りの意見にも耳を傾け、「おいしい商品を届けたい」という熱意を自分の支えにして粘り強く配合を見直します。

MOWの大型リニューアルを成功に導き、売上のV字回復に貢献。

現在のカップアイスクリーム市場は、昔から販売されているロングセラー商品が圧倒的なシェアを占めています。そんな中、MOWは2003年の発売後、2009年をピークに2014年まで売上が減少傾向にあり、2015年に大型リニューアルを図りました。リニューアルのコンセプトは、従来の「牧場で食べるようなミルク感」から、「より高級なバニラ感」のあるアイスクリーム。そこで、ミルクや砂糖などすべての配合バランスを0.1%単位でこだわりました。機械への負荷が大きい製造方法は工場からNGが出るため、その都度配合と製造方法を調整。マーケティング部門や工場とは何度も話し合いました。
そうして完成した新しいMOWは多くのお客さまに支持され、売上は当年にV字回復したばかりか2017年には過去最高を記録。苦労した分、MOWを手に取ってくれる方を見る度に開発者としての喜びを感じます。

研鑽を積み、こだわりや工夫を 対外的にも発信できる開発者に。

私は入社してから5 年間ほど工場の品質管理室で勤務し、その間に風味の識別力を向上させることができました。研究所で開発業務に携わるようになってからも、塩味、甘味、苦味、旨味、酸味を的確に区別したり、濃度や保管温度の違いなどによる微小な変化を見極める訓練などを重ね、社内独自制度の「風味パネルグランドマイスター」に認定されました。風味に詳しくなれば製品開発に活かせるだけでなく、開発者の声を対外的に発信する際もこだわりや工夫を理論的に伝えられるようになります。
開発業務に慣れてくるとつい自分の嗜好に走りがちになってしまいますが、常にお客さまの方を向いて開発に取り組み、いつか自分の生み出した新製品を新しいブランドとして定着させることが今後の目標です。

※本記事は取材当時(2019.12)のものです。